人気ブログランキング | 話題のタグを見る

続・いわいずみ短角牛

いわいずみ短角牛の放牧風景をよく見ると、
日本の牛肉生産においては特殊な事情が潜んでいます。

一つ目は、子牛が母牛の母乳(つまり牛乳)を飲んで育つこと。
春先に生まれた子牛は秋の「山下げ」まで
母乳をたくさん飲んで、野山をはね回り、丈夫に逞しく育ちます。
続・いわいずみ短角牛_b0206037_8481548.jpg


二つ目は、自然交配で子牛を宿すこと。
25~30haという広大な放牧地には、
40~50頭のメス牛(+その子牛)と、たった1頭のオス牛が放たれます。
続・いわいずみ短角牛_b0206037_8535558.jpg

実はこの1頭が、来年生まれる全ての子牛の「父」となります。

ちなみに、黒毛和牛は人工授精で生まれ、
生後まもなく母牛と離されて、人工ほ乳で育つのが一般的です。

さらに早坂高原では、エサの地域自給の取り組みが続けられています。
デントコーン(牛用トウモロコシ)の作付け準備のため、生産者が堆肥を配っていました。
続・いわいずみ短角牛_b0206037_944183.jpg

堆肥をまんべんなく配り、大地を耕し、種を播き、
一息つく頃には牧草の刈り取りが始まります。

牛の世話をすることと同じくらい、良質のエサを確保することは大変な作業です。
by kyounoinaka | 2011-06-16 09:12 | いわいずみ短角牛