続・いわいずみ短角牛
2011年 06月 16日
日本の牛肉生産においては特殊な事情が潜んでいます。
一つ目は、子牛が母牛の母乳(つまり牛乳)を飲んで育つこと。
春先に生まれた子牛は秋の「山下げ」まで
母乳をたくさん飲んで、野山をはね回り、丈夫に逞しく育ちます。
二つ目は、自然交配で子牛を宿すこと。
25~30haという広大な放牧地には、
40~50頭のメス牛(+その子牛)と、たった1頭のオス牛が放たれます。
実はこの1頭が、来年生まれる全ての子牛の「父」となります。
ちなみに、黒毛和牛は人工授精で生まれ、
生後まもなく母牛と離されて、人工ほ乳で育つのが一般的です。
さらに早坂高原では、エサの地域自給の取り組みが続けられています。
デントコーン(牛用トウモロコシ)の作付け準備のため、生産者が堆肥を配っていました。
堆肥をまんべんなく配り、大地を耕し、種を播き、
一息つく頃には牧草の刈り取りが始まります。
牛の世話をすることと同じくらい、良質のエサを確保することは大変な作業です。