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横浜~オフコースの名曲が聞こえていた日

学校を出て初めての就職先は横浜にありました。私の仕事は日々めまぐるしく変わる数字を眺め、その理由について書かれた新聞や冊子に目を通し、会社を訪ねてくる営業マンの話を聞いて、これから数字がどうなるのかを考えることでした。

朝出勤するとアメリカの数字を確認し、日中は日本の数字を追い続け、夕方になるとイギリスの数字が動き始めます。
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そして1カ月もすると、私の頭では常に数字が回り始めました。世の中のすべてが動き続ける数字になってしまったのです。さらに数カ月たち、目に見える現実世界が回り始めると、まるでその世界の軸を抑えるように、私の胃が痛むようになりました。

どうやら私の心と体は仕事に適応できず、何らかの障害が発生したのです。病院で「慢性胃炎」と診断され、心のリフレッシュをするように勧められました。
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当時、私の楽しみは「知らないどこか」へ行くことでしたので、港に向かうことが多くなりました。公園で大道芸を見たり、停泊する船を眺めては、「いつかこの船に乗って、遠くの街にいこう。」とつぶやきました。

そしてそんな時には、どこからともなくオフコースの名曲「秋の気配」が流れていました。私の人生とはかけ離れた歌詞ですが、不思議と心が落ち着きました。
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若い日は、輝く思い出ばかりではないと思う日曜日のおじさんです。
by kyounoinaka | 2013-01-20 08:00 | 取るに足らない話