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銀座kansei 岩泉食材を生かした坂田幹靖シェフの優しい料理の数々

7月15日 「岩泉短角牛といわて夏の旬野菜を楽しむ会」
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外国人から見ると、日本人はいつも首からカメラをぶら下げて、名所で記念写真を撮るために各地を旅している。そして、レストランでは、まず自分が食べる前に、料理をカメラに食べさせることが不思議なのだそうです。

でも、と私は思います。日本では、料理は口で味わうだけでなく、目でも味わう伝統がある。そして、その料理が日本料理であれ、フランス料理であれ、食材が生まれる背景を知り、料理人がその一皿に込めた思いを想像すると、どうしてもカメラに食べさせておきたくなるのです。

さて、日本を代表するフランス料理店「銀座kansei」での食事会の始まりです。

▼岩泉産グリーンアスパラの冷たいスープ
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「立茎栽培」で夏にも収穫する小本(卆郡)地区のアスパラ。
素材の味を引き出すとても優しいスープは、シェフの人柄が溶け出しているみたい。

食事会の定員は20名。有名なレストランなので、大きなお店を想像していましたが、20人が席に着くとお店は満席となりました。客席と厨房を仕切る壁はなく、調理場まで見えることに驚きました。

▼自家製パン3種類。食料自給率向上のため、米粉パンもあります。
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今日のコンセプトは「料理を通して食や地域・風土を知って楽しむ」こと。一つ一つのお皿に、たくさんの物語が詰まっています。

▼いわいずみ短角牛のカルパッチョ~地ウリ風味 インゲン トマト添え
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これが、感動的に美味しかった!
真っ赤な短角牛肉の上に岩泉の「あら切りわさび」、そしてそれを取り囲むのは、岩泉町の伝統野菜・地ウリ(昔キュウリ)なんです。なんと爽やかな夏の香り。

▼いわいずみ短角牛のステーキアッシュ(ひき肉ステーキ)
            ~新玉ねぎのコンフィ ズッキーニ ポテト添え
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玉ねぎ(卆郡)、ズッキーニ(大牛内)、ジャガイモ(有芸)は岩泉町産。
ボリュームたっぷりなのに、食べたりなく思うほどの美味しさ。

美味しい料理を食べていたら、初めて会った人たちとも、自然と会話が弾んできました。「人は食べたものでできている。」だから同じ料理を食べていると、同じ気持ちになるのかも知れません。
「なんだか初めて会った気がしませんね。」なんて思っていたら、お向いの女性は料理番組にも出演されている料理の先生でした。

▼北の赤いフルーツのスープ ラズベリーのシャーベット
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デザートも最高!でも、残念ながら食事会は終わりを迎えます。すべての料理が出揃ったところで、坂田シェフがご挨拶に来て下さり、今回の食材や料理についての質問に答えてくれました。私は、食材探しの旅に来た、岩泉町の印象について質問しました。

「おばぁちゃんたちがね、かわいいんですよ。だからこの野菜を、使いたくなるんです。」

おぉ、この一言を、この素晴らしい料理の数々を、食材を提供してくださったおばぁちゃんたち、短角牛や地ウリの伝統を伝えてくださった岩泉町の生産者たちに伝えなくては。
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▲ワインセラーにはフランスの超高級ワイン「ロマネ・コンティ

今回の食事会は、日本の農業を支える「料理マスターズ」の一人である「銀座kansei」坂田シェフと、盛岡市を拠点に県内外でご活躍されている野菜ソムリエで、「いわてフーディング・ラボ」を主催する大平恭子さんの企画により実現しました。岩手県の山の中・岩泉町の希少な食材と、その生産の背景に光をあてていただき、感謝感激です。

この素晴らしい食材を、生産者とともに、守り育んでいくことが、それが「今日の田舎」の課題です。岩泉町は山の恵み、里の恵み、海の恵み、正に食材の宝庫。その一つ一つに光が届きますように。
by kyounoinaka | 2013-07-17 09:00 | スローフード岩手