【夏の終わりに、山村で考えたこと】

いつも「今日の田舎」にご来場いただきありがとうございます。
岩泉はお盆が過ぎると秋の気配が感じられるようになり、朝晩は涼しい風が吹いています。

さて、色づく山を眺めながら、昨日は安家地区に、今日は釜津田・大川地区に足を伸ばし、通い慣れた農家を訪ねました。初めて農家回りをしてから、もう12年になります。
毎年毎年当たり前のように顔を出していると見過ごしてしまいますが、改めてこの12年を振り返ると、いろいろな変化がありました。それは、道路が広くなったり、建物が新しくなったり、町がきれいになったこともありますが、もっと奥深い、山村の厳しい現実があります。

2日間、目の前で見てきたことを報告すると、岩泉まめつぶ農園の農婦たち(ばあちゃんたち)が小さくなったことに驚きました。70歳・80歳を越えて、超人的な働きをしていたばあちゃんたちも、確実に年を取り、腰を丸めて歩くようになりました。畑も草の茂った休耕地が増えました。
ある集落では、以前はほとんど家で短角牛を飼い、子牛を出荷していましたが、今は1軒のみです。「奉納」と書かれた短角牛の絵札と、共進会でもらったトロフィーが短角牛を飼っていた証で、牛舎は倉庫として使われています。

過去を振り返れば、この地域には縄文時代から続く木の実の食文化があり、先祖代々山の暮らしを受け継いできました。しかし、この10年で多くのものが失われ、あるいは失われようとしています。そして、これから10年先には、どれほどの財産が失われているのでしょう。

安家地大根や地ウリなど伝統野菜の種採りの技術、「まどいり」を使った豆打ちの音、ハレの日にはきびだんごを作る習慣、ばあちゃんたちの笑い声、短角牛とともにある山の暮らし…

足下の暮らしに目を向け、その素晴らしさを発信し、岩泉の特産品を全国へ販売することによって、地域の大切な何かを未来に受け継いでいかなくてはなりません。

そういう訳で、これからも「今日の田舎」をよろしくお願いします。
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by kyounoinaka | 2011-08-31 12:37 | □担当者より