ばぁちゃんとの会話に悪戦苦闘
2011年 12月 25日
スローフード岩手では、2002年設立時から、地域の食文化の伝承を一つのテーマに掲げてきました。そして、「食文化伝承の意義は、単に昔の食を懐かしむことではない。先人の知恵と技術がつまった生きる術を失ってはならない。」という及川桂子先生の話を聞き、食糧保存の技術を記録し始めました。
震災で電気もガソリンも手に入らない時に、普段と変わらない暮らしをしてきた高齢者の話を聞き書きすることで、ここで生きる技術を伝えるのです。
題して、「100人のじぃちゃん・ばぁちゃん 食べ物と食卓の記憶」
概ね80歳以上の高齢者を対象に、今と昔の食べ物について聞き取っています。
例えば、
「こびる(おやつ)には何を食べますか?」
「冬の保存食として用意していたものはありますか?」
「おいしくはなかったけど、食べておいてよかったと思う食材や料理は?」
「生きているうちにもう一度食べたい料理は?」
興味深い内容なのですが、全然話が進みません。昔のことを話し出すと、ばぁちゃんの世界は際限なく広がってしまうのです。しかも、こっちの話は聞かないし…
100人の聞き取りが終わったら、「めのこ飯」や「麦けぇ(雑炊)」などリクエストの多い料理を再現してご馳走したいと思っています。それまで生きていて下さいね、みなさん。