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食べ物と食卓の記憶(ばぁちゃんの凍みいも)

昭和の初めに生まれたばぁちゃんは、20歳のときに山の上に嫁ぎました。バスがなくて不便だとか、買い物に困るということはなく、豊かな森の暮らしがありました。
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日々の食卓には山菜やきのこ、雑穀や季節の野菜類、鱒や雑魚(ザッコ)が並びました。

短角牛と木炭、養蚕で稼いだ現金で塩を買い、玉味噌や醤油豆を作りました。水田ができたのは嫁入りから20年以上たった昭和44年のことですが、食べ物に困ることはなかったようです。
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野菜ばかりではなく、肉も食べました。一番おいしかったのはキジで、ウサギやバンドリ(ムササビ)もおいしかったそうです。一度に食べきれないときは味噌漬けにしたり、茹でて塩漬けにしました。
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必ずしもおいしくはなかったけれど、シタミ(どんぐり)やヘェ(ひえ)を食べてきたために、80を過ぎた今でも元気に畑仕事ができるのだと思っています。

キミ団子やアワ餅はとてもおいしく、麦けぇ(粥)やそばかっけ、生豆腐は決してご馳走ではなく、日常の食事でした。
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最後に聞きました。「生きているうちにもう一度食べたいものはありますか?」

ばぁちゃんは答えました。「食べたいものは、今でも何でも作れんのよぉ。」

(写真)
ばぁちゃんの凍みいも(ジャガイモ)作り

一昨日の記事を見て、NHKの方が電話をくれました。
ということで今日のレポートは伊藤さんへの報告です。
by kyounoinaka | 2011-12-27 17:01 | 家族の食卓・地域食