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ちょっと真面目な、牛のエサの話

一般的に、和牛を育てるには5トンもの穀物飼料が必要です。これらは、主にアメリカから輸入するトウモロコシや大豆、小麦など、人間が食べても栄養になる食べ物です。

霜降り肉で有名な黒毛和牛の場合、約30か月間、カロリーの高い穀物飼料をいっぱい食べておいしい牛肉となります。この時の体重は700~800kgで、そのうち肉となるのは500kgほどです。

大雑把にいうと、5トン(5,000kg)の穀物を与えて、500kgの牛肉ができるわけです。

そこで、ちょっと疑問が出てきます。今世界では人口が増え続け、また、急激な気候変動によって、食糧不足(飢餓)の問題が起きています。もし穀物を牛に与えず、人間が食べたら、10倍の人のお腹を満たすことができるのに…


やっぱり、牛肉は贅沢品?畜産はなくなればいい?


でも実は違うんです。

もともと畜産が盛んな地域は、農業に不向きな土地が多いのです。
たとえばモンゴルの大草原。農作物を育てるだけの栄養がない土地でも、草くらいは生えてきます。人間は、草だけを食べて生きることはできませんが、牛や羊は草を食べて生きることができます。人間が食べられない草を食べ、人間の食糧となる肉やミルクを作り出してくれるのです。畜産は人間の食べ物を生み出す産業で、その究極が「山地酪農」なのかも知れません。


畜産の世界では、人間が食べられない牧草や稲わらを「粗飼料」と言います。そして、カロリーの高い穀物飼料を「濃厚飼料」と言います。

いわいずみ短角牛は、地元でとれた粗飼料をたくさん食べて育ちます。やわらかくておいしい肉にするために、穀物も与えますが、粗飼料をたくさん食べて、地域の山の暮らしを支えているのが「いわいずみ短角牛」なのです。

牛肉を食べるなら、地球環境にも、山の暮らしにも優しい「短角牛肉」にしましょう。

粗飼料1…デントコーン(牛用トウモロコシ)。実だけでなく茎も葉もすべて短角牛のエサになります。
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粗飼料2…山の草を干した「草島」は様々な薬草が含まれ、貴重なビタミン源です。
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粗飼料3…大根の葉は捨てずに干して、「やだ釜」で炊いて与えます。
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by kyounoinaka | 2012-02-16 12:54 | ◎もの いわいずみ短角牛と生きる