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宮古管内の産直農家を訪ねる

地元の新鮮野菜を扱う「わくわく市場組合」。岩泉町ならではの個性的な農産物を扱い、町内の学校給食へ農産物を収めたり、地域の中で大きな役割を果たしていますが、品揃え、品質、価格等においてまだまだたくさんの課題を抱えています。

そこで今回、「宮古地方産直連絡会」の皆さまにご協力をお願いし、組合員16名で産直向け野菜生産と販売について研修に行ってきました。

まず最初に訪れたのは、国道106号線沿いにある「ひきめの里直売所」です。小さな直売所ですが野菜類・果樹から茹でとうもろこし・豆腐田楽など充実した品揃えです。山口組合長にお話を伺いました。
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今年設立10年目の産直組合で、会員数は13名。人数が少ないので、品ぞろえを重視し、産直向けにサクランボやプラムなどの果樹も導入してきたそうです。また、昔ながらの「もちとうもろこし」を栽培しており、遠方より探し求めて訪ねてくるお客様もいるそうです。
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さらにブルーベリー園を共同管理しており、約300本のブルーベリーをみんなで育て、直売所で販売もしていることに驚きました。人数は少ないけれど、とてもまとまりのある産直組合で、子供たちの収穫体験や食農教育にも積極的に取り組んでいるそうです。素晴らしい。

次に向かったのは、トマト・ナス・キュウリなどの夏野菜類を、産直専門に生産している上野さんの圃場です。露地・ハウス合わせて1,000坪の畑で野菜類を周年栽培し、そのすべてを産直で販売しているそうで、おったまげました。
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若い頃は農業に魅力を感じられずに都会へ飛び出していきましたが、数年後に宮古に戻り、制度資金を活用しながら少しずつ施設を増やし、試行錯誤しながら通年販売を実現したそうです。
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しっかりと生産基盤を作ったことで、会社勤めをしていた息子さんも後継者として戻り、現在では役割分担をしつつ、良きライバルとして生産に励んでいる様子が伝わってきました。

上野さんの野菜は、「宮古魚菜市場」(お父さん担当)と「なあど産直」(息子さん担当)に納品していますので、見つけたらぜひお買い求めください。

最後に、大震災で被災し、現在仮設店舗で頑張っている「出崎地区産直施設組合(なあど産直)」を訪ねました。ここは今年3月にオープンした「道の駅シートピアなあど」にある仮設直売所です。
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明るい笑顔の山崎組合長にお話を伺いました。

なあど産直は宮古魚市場前にあり、東日本大震災の津波により店舗を失うなど甚大な被害を受けました。しかし、震災直後の4月から、新鮮な野菜を求める宮古市民のために宮古駅前でテント販売を開始、6月には商店街の店舗を借りて「街なか産直」をオープン、さらに8月からは仮設住宅への配達をするためにトラックでの移動販売を行っています。この移動販売車は、ホームセンターで材料を買い集め、組合員が手作りで作ったもので、みつばちのイラストが目印です。
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なあど産直の組合員は約70名。仮設店舗ができた現在でも、「街なか産直」「移動産直」と合わせて営業をしているそうです。「IT大作戦隊」があり、商品の販売状況を一日3回組合員にメール配信するなど、お客様へのサービス向上のため様々な工夫をしていました。

一口に産直と言っても、組合員の規模や店舗設置場所などにより様々ですが、今回の研修を通して、産直にかける熱意など、改めて考える機会となりました。

組合員の高齢化など難しい課題も抱えていますが、地域に密着した産直市場として、より良い商品やサービスを提供していけるよう頑張っていきますので、今後とも「わくわく市場」をよろしくお願いします。


最後に、宮古地方産直連絡会のアイドルAさん、素晴らしい研修会を計画してくださりありがとうございました。
by kyounoinaka | 2012-07-20 08:00 | わくわく市場組合