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栃木県那須町「日本畜産の原風景を求める視察団」来町

栃木県北部の那須町から、「日本畜産の原点・原風景」を求めてお客様がやってきました。那須地方は本州一の酪農郷(生乳の産地)であり、「とちぎ和牛」など優れた和牛(肉牛)の産地です。

最初に訪れたのは岩泉町安家地区、江戸時代から牛の放牧を行い、現在は全国のサポーターに支えられ短角牛の林間放牧を行っている安家森(カヌカ平)です。
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今日では生産効率の良い牧草を植えた放牧地が主流ですが、この放牧地は天然の野芝で覆われ、13haの広さに8頭の短角牛が放たれています。短角牛を放つことによって、ササや灌木の浸食を防ぎ、美しい景観が保たれているのです。

牛たちは自由に牧野を駆け回りますが、今日のような暑い日は木陰で涼んでいます。
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次に訪れたのは、田野畑山地酪農牛乳で知られる「くがねの牧」と「志ろがねの牧」です。ここでは日本の山林を生かした究極の畜産・山地酪農を実践しています。山林を切り開き、野芝を移植しながら30年以上の月日をかけて作り上げた美しい牧場です。
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日本を代表するリゾート地・那須地方ですら、これほど美しい牧場はないそうです。安家森の短角牛と同じく、木陰でのんびりと草を食んでいますが、よく見るとホルスタイン柄の馬がいます。心安らぐ光景ですね。
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▼山地酪農の実践者・ムネノリさんと「日本畜産の原風景を求める視察団」の皆さん。
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「視察団」の皆さんも、実はただならぬ畜産の実践者です。

さらに一行は短角牛を求めて、岩泉町釜津田地区に飛び、櫃取湿原で知られる片巣牧野へ向かいました。べこ守り(放牧監視人)さんのお話を伺った後、短角牛を探しまわると、沢沿いのササ原の中で動く短角牛を見つけました。
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牛たちは牧草のみならず、ササやブナの葉、時には体調に応じて野草を選んで食べる能力があります。


岩泉町・田野畑村には、日本畜産の原風景が今も残り、そしてそれが未来につながる持続可能な畜産であることを、視察団の皆さまが教えてくれました。
by kyounoinaka | 2012-08-30 16:31 | スローフード岩手