岩泉町物産振攻会視察研修~第1章「町並み保存100年運動」山形県金山町
2012年 11月 30日
前回が雪の残る寒い時期の視察だったため、今年は早めに企画しましたが…

朝から雪が降り始め、北上から横手へ向かう錦秋湖で視界が真っ白になりました。
しかし気を取り直して、伝統的な街並み保存とモノづくりの盛んな「山形県金山町」「銀山温泉」「鳴子温泉」に向かいました。今日は金山町のレポートです。
山形県北東部に位置する金山町は、町域の3/4を占める森林からの金山杉と、景観施策に意欲的な町で、特に昭和58年から取り組んでいる「街並み(景観)づくり100年運動」では数々の表彰を受けています。総面積は161平方km(岩泉町の1/6)、人口約6,000人。

冷たい風雪の中、町役場のタンさんに町内をご案内していただきました。
豪雪地帯である金山町では、1mを超える積雪も珍しくなく、各家庭には屋根の雪下ろしのための梯子がついていました。
「金山は特にこれといって何にもない町ですが、この何にもない町に多くの人に来ていただいています。」
タンさんの言葉は山暮らしを嘆いているようでもありますが、その奥には確たる自信を感じました。

町では歴史的建造物を残すだけではなく、白壁と切妻屋根をもつ在来工法で建てた住宅を「金山型住宅」と呼び、景観保全のため助成金を出しているそうです。地域の木材で建てられた金山型住宅は「美しく古びる」ことが特徴で、町を歩いていると不思議な懐かしさを感じます。

また、金山町は様々なクラフト(モノづくり)も盛んで、「暮らし工房」「自然考房 創楽」などの魅力的な工房が数多くあり、見学させていただきました。
が、今日の天気は寒すぎました。誰からともなく「菓子茶房傳八」さんに誘われ、金山名物くるみまんじゅうと熱いコーヒーをいただきました。

なんとこの「くるみままんじゅう」は、平成14年に天皇皇后両陛下のお茶会に提供された、絶品まんじゅうなのだそうです。

雪は降り続きます。日も暮れてきましたので、「きごころ橋」を渡ってバスに乗り込み、今夜の宿「銀山温泉」に向かいました。
寒い中ユーモアを交えて丁寧にご案内下さったタンさん、ありがとうございました。雪のないときにじっくりと再訪したい金山町でした。
(つづく)
(参考)平成23年度岩泉町物産振攻会視察研修レポート
岩泉町物産振攻会視察研修~第1幕「八戸はお洒落な工芸の町でござんした」
岩泉町物産振攻会視察研修~第2幕「昭和レトロが似合う町 黒石ぶらぶら歩き」
岩泉町物産振攻会視察研修~第3幕「東北の文明開化は小坂町から始まったのだ」