トップシェフたちの熱い心にふれた日~シェフツアー報告1
2013年 02月 28日
夜の交流会では総勢70名を超える生産者・料理人・関係者が集まり、首都圏や東北各地からお集まりいただいたシェフたちの最高の料理と笑い声が絶えることがありませんでした。この感動を伝える言葉が見つからず、本日はこれにて失礼します…
と言う訳にもいきませんので、僭越ながらご報告させていただきます。

今回のシェフツアーは、震災後の東北復興支援を続けるNPO「ソウルオブ東北」の活動の一環で、奥州市のフランス料理店「ロレオール」伊藤勝康シェフが実行委員長を務める「シェフと山・海・里の産地連携プロジェクト」の第4回目として開催されました。
「真冬の牛に会いに行こう」という首都圏シェフの声を受け、「いわいずみ短角牛」と「田野畑山地酪農」を訪問先に選んでくれたのですから、何よりも牛たちに感謝しなくてはなりません。
10時半に盛岡駅で集合し、岩泉町のバスに乗って雪の峠を2つ超え、短角牛発祥の地・釜津田地区に向かいました。

「夏山冬里方式」で育てられる短角牛は、今の時期は里の牛舎で過ごしていますが、釜津田の風景を見て、
「ここは里じゃねぇーだろ、山だろぉ!」
という声が聞こえてきました。全く、その通りでございます。
生産リーダーのトシカツさんのお話を伺いました。

すでに短角牛肉をお店で扱って下さっているシェフたちもおりましたが、実際に短角牛を目の前にし、生産にかける思いを語るトシカツさんのお話に、熱心に耳を傾けていました。
慌ただしくバスに乗り込み昼食です。お弁当を作ってくださったのは、岩手を代表する「食の匠」邊見むつ子さんですが、このお弁当が、すごかった。凍み大根や凍み豆腐、蕗味噌、キノコ、どんぐりなど岩泉町の保存食・郷土食をベースとした心づくしの料理の数々に、シェフたちも大満足でした。
さて、1時間半ほどで田野畑山地酪農牛乳「志ろがねの牧」に到着です。牧場の主で、約40年前にこの地に入植し、山を切り拓いたキミオさんに自慢の牧場をご案内していただきました。

牧場は雪と氷に覆われていますが、山地酪農の牛たちは寒さに震えることもなく、のんびりと干し草を食べています。牛たちは健康そのもの。美味しい牛乳をいただきましたが、牛乳は一年中同じ味なのではなく、季節に応じてその時々の味があるということに納得しました。
予定通り「予定より遅れて」生産者訪問を終え、道の駅いわいずみ「レストラン大地工房」へ到着しました。そして、ここからがシェフたちの本領発揮。なんと産直や厨房を眺めて食材を物色し、メニューを決めることろから始まったのです。

ホールも厨房もシェフだらけ。「ル・デッサン」の増田シェフを中心に、次々と今夜のメニューが決まっていきます。
(つづく)