シェフツアー in ロレオール~其の一、奇跡の料理講座
2013年 05月 17日

第4回のシェフツアーを岩泉町で開催した縁で、実行委員長の伊藤勝康シェフに声をかけていただき、「前回のお礼を伝えるため」と短角牛肉を用意して出かけていきましたが…
日本を代表するシェフたちが一同に集い、岩手食材の魅力を発信するとんでもないプログラムが用意されていました!
第5回 山・里・海 産地連携プロジェクト~東北の食大学に向けて
「プロからプロに伝える料理講座 + いわて山・里・海食事会」

【第1部】 料理講座
東京から来た14人のシェフが、岩手のシェフたちのために、岩手の山・里・海の食材を使った料理教室を開催。
《デモンストレーション1》
ジョエル・ロブション エグゼクティブ 渡辺雄一郎シェフ

まずは料理関係者なら誰もが知っている憧れの渡辺シェフ。「久慈産アワビ 2種類の調理法で山菜の様々な変化とジビエの定義に基づくフォワのクーリ ピスタチオオイルをあしらって」と題する料理を披露してくださりました。
ただの「田舎編集長」の私には技術的なことは理解できませんでしたが、
「キュイジーヌ・マルシェ(市場の料理)」
「キュイジーヌ・レジョナール(地域性のある料理)」
つまり、流行に惑わされない、その土地にある、旬の食材を生かした料理が基本ということがとても印象に残りました。今は世界中の食材が手に入る時代ですが、料理は食材を生み出す地域の風土と切り離すことはできないということでしょう。
料理はお皿の上の芸術、食材の物語がたくさん詰め込まれています。

《デモンストレーション2》
銀座レカン 料理長 高良康之シェフ

続いての講師も、日本のフランス料理界を代表する高良シェフ。2月の岩泉ツアーに来ていただいた縁もあり、なんといわいずみ短角牛肉とドングリを使ったメニュー「カーボンに包まれた短角牛ローストとドングリのピューレ」です!
岩泉町には今でもドングリの食文化が受け継がれていますが、高良シェフは違う角度から、食材としてのドングリの魅力を教えてくれました。また、お客様に不利益にならないように、食材も、人材も丁寧に仕立てること…、料理を作る際の心構えや発想方法、さらにはお客様への接し方など、とても深い内容でした。

お客様の年齢や性別、右利きか左利きか、さらに食事の進み具合を確認しながら、メニューや味付けを決めていくというのですから、ただただ驚くばかりです。
食材を生み出す地域の風土、そして生産者への感謝を込めて、すべてはお客様のために。超一流シェフの講義は、料理人でない私ですら感慨深いものでした。まして岩手の若いシェフたちにとって奇跡のようなひと時だったに違いありません。
(つづく)