シェフツアー in ロレオール~其の三、幻想の中で気づいたこと
2013年 05月 19日
食事会の合間に、奥州市衣川区(旧衣川村)に伝わる神楽が披露されました。

夜の風と囃子の響きに包まれて、ぼんやりと及川桂子先生の言葉を思い出しました。
「農耕中心の暮らしは、自然に対する畏敬の念が信仰や祭りを形作り、行事として定着しました。この行事には必ず食べ物が備えられ、それが行事食となり、地域の食文化として伝えられてきました。
地域の食文化には先人の生き方や知恵が凝縮されており、その基底には神々や祖先、あるいは家族に対する人々の祈りや願い、感謝、そして愛があります。」
つい先ほど食べた「お皿の芸術」のようなフランス料理と、ばぁちゃんの作る郷土料理が、実は同じ思いによって作られていることに気がつきました。

岩手を代表するフレンチレストラン「ロレオール」。「ロレオール」とは光背、後光という意味があり、食を通じてお客様に幸福の光を届けられますようにとの願いが込められているそうです。
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今回のシェフツアーには、岩泉町から「レストラン大地工房」のシェフ、若き短角牛生産者、そして自称「岩泉町 食と農の広報係長」の3名で参加させていただきました。素晴らしいシェフたちと出会い、最高の料理を味わい、同時にそれぞれの立場で大きな課題にも気づかせていただきました。
すぐには改善できないこと、一人ではどうすることもできないこともあります。でも、より良い産地を作り、豊かな山の暮らしを維持していくために努力していきますので、今後ともご指導・ご協力をお願いいたします。
最後になりましたが、下記の皆様に多大な感謝を申し上げ、今回の報告を終了します。
・ツアーを主催したソウルオブ東北の皆様
・ツアー実行委員長の伊藤シェフと素晴らしい料理を作って下さったシェフの皆様
・会場作りから片付けまで、細かなサービスを提供して下さった「ロレオール」の皆様
・食材を生み出す生産者、および生産を支える行政関係の皆様
・小雨の降る中、神楽を披露して下さった保存会の皆様
夢のようなひと時をありがとうございました!
