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今年も安家地大根の種をつなぐことができました。

昨年の秋に収穫したあと室(ムロ)に貯蔵し、4月9日に定植した安家地大根の母本(ぼほん=種を採るための株)から無事に種が採れました。
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花が咲く頃には雨不足で乾燥し、莢(サヤ)がついてからは連日の雨にうたれて見栄えはよくないけれど、思いのほかきれいな種が入っていました。
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種を毎年絶やさず採ることは、意外と難しい。冬が寒すぎて母本が凍り付いてしまったり、ネズミに食われたり、莢がついてから暴風で茎が折れてしまうこともある。一度途絶えてしまえば、二度と取り戻せないのが伝統野菜の宿命なんです。

だから安家の長老は、2~3年分は確保しておき、種が採れなかった年には前年の種を植えるのだと教えてくれました。

▼去年の種
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先日、県内陸部の農家の方から、安家地大根の種を送ってほしいと電話をいただきました。このような問い合わせは年に数件あって、中には「安家地大根を村の特産品にしたい。」というリクエストもあります。

そんなときは、このように答えています。

「安家地大根は、安家地区の気候風土の中で育まれてきました。もし特産品を考えているのなら、そちらの土地で受け継がれてきた伝統の種を探してはいかがですか?ばぁちゃんたちに聞けば、きっと手がかりが見つかりますよ。」

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有芸地区のばぁちゃんから種を分けてもらい、「あした農場」で育てている地ウリ(旧南部藩地域に伝わる伝統のキュウリ)を、昨日初めて収穫しました。
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安家地大根も地ウリも、地域のばぁちゃんたちがそのまたおばぁちゃんの代から受け継いできた大切な種。この種が一流シェフのフランス料理となり、世界の農業者との架け橋になっています。
by kyounoinaka | 2013-07-24 10:38 | 安家地大根