いわいずみ短角牛の「べこ守り」コースケさんに会いに行く
2013年 08月 30日

実はコースケさんは憧れの人。もう10年も前のことですが、あるテレビ番組で拝見し、一方的にファンになっていたのです。
取材スタッフ「おとーさん、今何をやっているんですか?」
コースケさん「はぁ、バラをいじっていました。」
取材スタッフ「バラが専門なんですか?」
コースケさん「いやいや、ワタシの専門はウシなんですよ。」
そう言ってコースケさんは立派な短角牛の種牛を見せてくれました。

コースケさんがいるのは標高1,000mの山の上。「夏山冬里方式」で育てられる短角牛が、夏の間過ごす放牧地で「べこ守り」をしています。

この放牧地には68頭の母牛とその子どもたち、そして1頭の父牛(種牛)がいて、コースケさんの仕事は具合の悪い牛がいないか、日々見守ることです。
「みなさんの牛を預っているわけだからなんす、元気に返すまで気をつけてやらねぇばなんねぇの。」と言いつつ、牛たちがかわいくて、この仕事が大好き。

「親父もべこ守りで、ワタシも16の時から山に来てます。里ではヒエ飯を喰っていても、ここにくれば白い飯が喰えたもんでなぁ。その頃は神様の隣に座るくらい、べこ守りは大切な仕事だったのす。」

べこ守り暦60年近いコースケさんですが、これまで自分の牛はほとんど飼ったことがないとのこと。
「自分の牛がいればどうしても一番良い草を喰わせたり、ひいきをしてしまうもんだから、べこ守りは自分の牛を持ってはいけない、ワタシはそう思うだなんす。」

コースケさん、昭和13年生まれ。短角牛と岩泉町の山々が大好きです。
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本日は農林水産省畜産部素畜流通係から研修生をお預かりしましたので、短角牛素畜生産の魅力をお伝えしたく、コースケさんのお話を伺ってきました。
(参考)
いわいずみ短角牛の「べこ守りさん」寅さんの優しい眼差し