故郷の味は、その土地の人たちにしか守れないと思う。
2013年 10月 16日

安家地大根とは、「安家」の「土地」の「大根」、つまり、安家の土地の風土の中で育まれてきた大根です。
ほんの一昔前、全国各地には様々な「地大根」がありました。今日でも東京の練馬大根や亀戸大根、鹿児島の桜島大根、長野のねずみ大根や秋田の松舘しぼり大根などが有名ですが、各地の地大根は消滅したか、消滅の危機にさらされています。

農薬や化学肥料の使用を前提に、性質が均一で育てやすく、大量流通に適した改良種が全国で栽培されるようになったからです。(そのおかげで、私たちは一年中、みずみずしく美味しい大根を食べることができるようになりました。)

でも、地大根はある意味自由奔放、1本1本に個性があって、時にはその個性が強すぎて、今の横並び社会には馴染まないのかも知れません。

安家地大根は赤くてきれいな大根だけど、食べ方を知らないと固くて辛くて食べにくい大根。だからこそ、地域の風土とともに、この土地の郷土の味として、大切に伝えていかなければならないと思うのです。

安家地大根は大丈夫。安家地区の人たちが、大切に安家の地大根を育むように、全国各地で伝統の種・故郷の味が受け継がれることを願っています。
