岩泉食材の晴れ舞台「岩手のスローフードをフレンチで」報告
2013年 10月 29日
「Mont」は山(岩手山)、「Fleuve」は川(北上川)から名付けられたというこのお店は、全国から岩手にやってくる旅行者にも、地元岩手の方々にも満足いただけるように、岩手の四季折々の恵みを生かした本格的なフランス料理を提供しています、と先日岩泉町の産地訪問に来て下さった狩野美紀雄西洋料理料理長がお話してくれました。
食事会を企画して下さったシニア野菜ソムリエの大平恭子さんから開催の趣旨と岩泉町の魅力をご紹介していただき、さらに安家地区から参加したエツコさんの安家弁満載の御礼の挨拶を聞きいていると、間もなくアミューズ(つきだし)が出てきました。子どもの頃から短角牛とともに過ごしたエツコさんもおったまげる短角牛と安家地大根料理です。
▼短角牛ハツと安家地大根のレムラード カネロニ見立て
短角牛ハツの下にエゴママスタードを和えた安家地大根があります。ハツと安家地大根を包むオシャレなカネロニが、岩泉の食材を優しく包む広大な山々のようです。
▼岩泉産スチールヘッドの栗の葉スモーク 秋の野菜と共に
スチールヘッドとはニジマスのこと。岩泉の清流で育ったニジマスを季節を感じる栗の葉でスモーク。コロッケは一関産のさといもですが、ほおずきはもちろん、マキコさんのナメコ、トクジさんのニンジンと長ネギもそれぞれの役割を立派に果たしています。
▼南部一郎南瓜のスープ 生姜風味
一関市「骨寺村」の特産品・南部一郎に初めてお目にかかりました。クリームを使わず、玉ねぎと生姜を加えた自然な味わい。嬉しいことに、安家地区の「黒平豆」をアクセントに添えて。
▼三陸産帆立貝のソテー 安家地大根ソース
三陸の魚介類と安家地大根の組み合わせですが、これほどオシャレな料理を見たのは初めて。安家地大根は辛さを抑えるためにカブと一緒になめらかなソースになっています。安家のばぁちゃんたちにもぜひ食べさせてあげたいな。
▼短角牛もも肉のロースト 山葵入りフォワイヨー 牛蒡ソース
ついにメインの短角牛肉登場です。恥ずかしながら料理用語がよくわからないのですが、赤身の短角牛肉とワサビの相性が抜群で、牛肉の美味しさが最高!森のワサビ園で短角くんが微笑んでいる映像が浮かんできます。隣は安家地大根の揚げ物で、この一皿に岩泉町の魅力があふれるほど盛り付けられています。
さらに、デザートもすごかった!
▼リンゴと安家地大根のマルメラータ、山葡萄のクランブル 岩泉ヨーグルトのアイスクリーム
先日お邪魔したカズシさんのリンゴ(ジョナゴールド)、したみち農園の山葡萄が惜しみなく。さらに岩泉ヨーグルトも一層美味しいアイスクリームに。
「美味しい料理はいくらでもありますが、野菜ソムリエの立場で、地域の中で大切にされてきた魅力的で個性的なものを、心あるシェフと一緒にお客様の心に届けたいと思い、この食事会を開催することにしました。」とは、主催した大平恭子さんの開会挨拶の言葉。
私は料理を食べながら、放牧地のベコ守りのじぃちゃんや、安家地大根の種を受け継いできてくれたばぁちゃんのことを想いました。じぃちゃんの口には合わないべぇか?ばぁちゃん腰を抜かすんでないかな?
じぃちゃん・ばぁちゃんが伝えてくれた種によって、笑顔の絶えない、夢のような食事会が開かれました。岩泉町の風土の中で育まれる食材は、世界に誇る素晴らしいものばかりです。食材を生み出してくれた生産者の皆さん、どうもありがとう。
これからTPPへの参加など、農業・畜産を取り巻く環境は一層厳しくなると思われますが、このような食事会を通して農山村の魅力、食材の背景にある物語を、多くの人たちに伝えていきたいと感じています。
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岩泉食材の魅力を引き出して下さった狩野料理長をはじめとするシェフの皆様、きめ細かなサービスを提供して下さったフロアスタッフの皆様に感謝感激を申し上げ、報告を終わります。ありがとうございました!
【フランス料理 モン・フレーブ】
ホテルメトロポリタン盛岡NEW WING 2階
ランチタイム 12:00~14:30
ディナータイム 17:00~20:30
電話019-625-6262(受付時間11:00~21:00)
http://www.metro-morioka.co.jp/newwing/restaurant_mont.html
(追伸)
大平さんのブログに今回の食事会の背景が綴ってあります。岩泉町のことも度々取り上げていただいていますのでぜひご覧ください。素晴らしい食事会をありがとうございました。今後ともよろしお願いします。
「大平恭子のStyle日記」 http://blog.brandstory.jp/