里に下りた短角ちゃんは手作りの美味しいご馳走を…
2013年 11月 20日
里に下りると早々に大きな子牛市場が開かれ、あるものは新しい飼い主に引き取られ、またあるものは引き続き同じ飼い主のもとへ帰ります。

これらの短角ちゃんは、女の子であれば将来の母牛となるための嫁入り修行をするか、あるいは美味しい肉になるための「肥育」期間に入ります。
そして男の子であれば、将来父牛になるエリートはごく一部で、ほとんどが美味しい肉になるために去勢され(すでに去勢されています。)、「肥育」されます。去勢するのは柔らかくて美味しい肉になるためですが、無念さを感じずにはいられません。
今日は短角ちゃんのご馳走の話です。

放牧期間中は母乳と山の牧草や木の芽・葉などを食べて過ごしますが、里に下りると夏の間に農家の方が作ってくれたご馳走を食べることができます。

特に大好きなのは、家の周りで育ててくれた「牛用トウモロコシ(デントコーン)」を茎ごと裁断し、密閉して乳酸発酵させたデントコーンサイレージです。

これは私たちが食べる漬物と同じで、ただ美味しいだけでなく、微生物の働きでお腹の調子を整える働きもあります。
また、今では珍しくなりましたが、山の野草を干した乾草も、偏りがちなミネラルを補給するとっても贅沢なご馳走です。

夏の間は自由奔放のびのびと「喰っちゃ寝」生活、冬の間は美味しいご馳走と生産者の愛情たっぷりに育つ短角ちゃんは、とっても幸せな人生(牛生?)を送っています。