「暮らし名人の技」を見た! in 岩泉町安家地区
2013年 12月 13日

「きびだんご」に欠かせないタカキビの穂が吊るしてありました。ここはもともと冬の間の短角牛の部屋でしたが、牛を手放してもう10年になります。タカキビの下においてあるのは、購入から約60年、生涯現役の「唐箕(とうみ)」です。

安家川の上流、標高1,239mの安家森(安家地区の最高峰。「~森」と名づけられた山には、その昔神様が住んでいたそうです。「森」は「守」でもあったのか?)から吹き降ろす風雪から家を守る「雪囲い」。天然素材100%で、庭の梅(?)の樹も支柱に活用しています。

冬の冷たく乾いた風が吹き付けるようになると、軒先にいろいろ吊るします。凍み大根や凍み豆腐を作るにはまだ少し早いみたい。今は「干し葉」(大根やカブの葉)と「干し柿」が主役。こちらはフジツルに通してあり、ばぁちゃんのネックレスみたい。

どこの家にも薪が積んであるのも素敵。最近は薪ストーブがブームで、通販でも薪が売られているそうですが、安家の薪は森の霊気を含んでいて、煙突から立ち上る煙にも風情が感じられます。

山奥の村で「暮らしを創る」ことはとても大変なこと。安家地区の皆さんの「生きる力」にはいつも驚くばかりですが、こんなに素晴らしい暮らしの「技」や「知恵」を少しでも受け継いでいかなくてはいけませんね。