岩泉町安家・トメばぁちゃんの「三階ネギ」
2014年 04月 25日

ようやく雪が消えた畑の片隅で、いち早く緑の芽を伸ばしているのは、とても希少な「三階ネギ(さんげぇーねぎ)」です。

このネギは半野生化しており、毎年ほぼ勝手に生えてくるのですが、まだ山菜が芽吹く前にいち早く収穫でき、濃厚な風味があります。

三階ネギは生育が進んでも「ネギ坊主(花)」をつけず、ネギ(一階)の先端から芽(二階)を出し、さらにその芽の先からまた芽(三階)を出します。全国的には「櫓(やぐら)ネギ」と呼ばれ、消滅の危機にありますが、自給的な暮らしが残る岩泉町は「櫓ネギ」の楽園として伝統野菜マニアの注目を集めています。
▼6月の三階ネギ。二階建てです。

▼二階をおっかいて土に植えると、根付きます。(本家と分家の関係です。)

久しぶりに訪ねたトメばぁちゃんは、惜しみなく三階ネギをお土産に引っこ抜いてくれました。

ばぁちゃんの「まめつぶ農園」には、よそにはない故郷の味があり、いつ行っても感動します。安家の岩豆腐(道の駅いわいずみで販売中)に載せて、美味しくいただきました。

そんな訳で、編集長を退いた私は「三階ネギ保存会」(通称「さんげーネギの会」)を立ち上げ、会長に就任いたしました。会員はまだおりません。
★守るべき岩泉町の三大伝統野菜★
春 三階ネギ…畑の片隅で育つ、料理の名脇役
夏 南部の地ウリ…みずみずしい青春の思い出
秋 安家地大根…長く厳しい冬に欠かせない貴重な保存食