釜石線「SL銀河」に乗ってきました。
2014年 11月 23日

先週末は、釜石線のSL銀河の釜石→遠野間に乗車してきました。

SL銀河登場!という騒ぎもひと段落し、今年の運行シーズンも終了間際の、
普通の週末の乗車状況はいったいどんなものなんだろう。
乗ってみたら、想像以上の盛況でした。
もしやガラガラだったらどうしよう、なんて思ったのですが、ほとんどのボックスには平均2人くらい乗客がいました。
それより嬉しかったのが、上の写真のように、沿線の家々や道、畑、あちこちからたくさんの人たちが手を振ってくれていたこと。
子ども連れのお母さん、畑仕事中のおばあちゃん、おっちゃんなど様々な人たちが喜んでいる、恒例行事になっているのがわかりました。

若い女性が多い。本当に鉄道好きな女性が増えてるんだ、って実感しました。

実に多くの人たちがSLの運行に携わっていることがわかります。

釜石→遠野のあいだはひたすら上りですが、陸中大橋からの仙人峠越えはかなりの高度感を味わえます。
さっき乗ってきた線路が眼下に。最後の紅葉も楽しめました。

えっ、トンネル内で車窓?
この車両、各窓の上にはステンドグラスが配置されており、座席間の仕切りの装飾品も相まってトンネル内では窓に映し出され、不思議な感じです。

なので、急こう配区間が連続する釜石線では、客車がなんとSLをアシスト。
つまり、客車にも「車掌さん」だけでなく「運転士さん」がいるのです。
その4両それぞれすべてに、宮沢賢治に関する様々な展示があります。
理想郷を岩手の地図に描いた賢治の生き様が、コンパクトにまとめられており、
賢治のことを実はよく知らなかった私も展示に引き込まれました。
そしてなんと車内には、賢治の言葉が出てくるガチャガチャが・・・(笑)けっこう、人気でした。
最後尾には、写真のような車内販売の売店もあります。
SL銀河グッズのほか、「遠野牛」などの弁当、飲み物も充実。
車内では「山ぶどうジュースがおすすめです」との放送があり、岩手を旅行している、っていう気分も高まっちゃいます。

電光掲示板に代わって、次の停車駅を駅ごとに手でスタッフが入れ替え案内するというスグレモノ(?)
人の手がかかっている、というのに妙に感動します。
この案内板はプラネタリウムの前に設置されているもの。
えっ、プラネタリウム!?
宮沢賢治がテーマの列車なので、「銀河鉄道の夜」のプラネタリウム上映が、行われます。
それも、花巻行きの場合は機関車の真後ろにプラネタリウムがあるので、
上映中に蒸気機関車の汽笛が「ボォーッ」と聞こえてくる演出つき。
家族連れに人気のようでした。
そんなこんなで、釜石→遠野は通常の倍近い約2時間も乗車することになるのですが、
乗車中は1号車~4号車を乗客はぐるりぐるりと回遊して、飽きることなく楽しめます。
途中停車駅では、外に出てSL観察したり、風景を眺めたり。
花巻まで乗りとおす人は、遠野で1時間以上の昼休憩下車時間があるので、
遠野のちょっとした観光や昼ごはんを食べられる。
もちろん、乗客は思い思いに、回遊せずにボックスでちょっとした宴を楽しんでいる姿もみられましたし、
家族連れでも楽しめる。
予想以上に素晴らしい列車で、私は感激しました。
それは、SLという乗り物を楽しむことができること、だけじゃありません。
この効率化、自動化全盛の時代に、このSLの運行にはデザイン、ストーリーの構成から実際の演出、運行まで実に多くの人たちの手が惜しみなくかけられていること。
この制約の多い空間の中で、精いっぱい乗る人を楽しませようという気持ちに感激しました。
そして、沿線の遠野市もそれに応え、観光客を本気で受け入れようとしていることを感じました。(昼ごはんをどこで食べようか、ちょっと迷いましたが。)
これは、単なるSLじゃない。また乗りたい。
今年の運行は11月いっぱいです。
来年もまた乗ってみたいし、いろんな人にこの魅力を知ってもらいたい。
宮古~釜石間の鉄道は鉄道の復旧見通しがまだはっきりしていませんが、三陸鉄道に移管して運行!?なんて話も出てきています。宮古~釜石間が復旧したら、SL銀河に乗って釜石へ~そこから海を楽しみ、岩泉へ~
ブルートレイン日本海に宿泊なんてプランも容易に組みやすくなります。
なので、今後の動向にも注目しています。
あわよくば、花巻→釜石→宮古→盛岡なんてぐるっと運行できたりしないかな。
今後の岩手のローカル線の活況が、楽しみです。