人気ブログランキング | 話題のタグを見る

短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて

短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_21382251.jpg
5月14日、安家地区の山にやってきました。
岩泉町は本州一広い町。そのため同じ町内とは言えど東西南北、地区ごとに気候や風習も実はけっこう違うのが面白いところです。
短角牛は大きくわけて大川、釜津田、安家の3地区で飼育されており、各地区に放牧地を管理する「牧野組合」があります。
先週までに大川・釜津田地区ではおおむね短角牛が放牧開始されましたが、安家地区では今週放牧開始となります。
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_21471133.jpg
岩泉町の短角牛は人里離れた標高1,000mの高所で、広大な面積の放牧地へと伝統的に放牧されてきました。
冬場の牛舎のある里は渓谷地帯で、それほど広い土地はないので、
冬は牛舎で大事に育て、夏場は牧草地での放牧+林間放牧でワイルドに育てる、そんな夏山冬里方式が長らく行われています。
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_21424197.jpg
冬場は雪で閉ざされる放牧地では、深い積雪や雪崩により、放牧地を囲う牧柵(有刺鉄線)がところどころですが壊れてしまいます。
以前看視人さんに聞いたところ、仮に牛は脱走しても、牧草地の草が豊かであればだいたい戻ってくるそうです。タケノコなど美味しい山菜を食べたくて牛が脱走することもあるようです。
とはいえ!たびたび脱走するようでは広大な放牧地での管理が大変になってしまうので、やはり放牧開始前の牧柵の修理は欠かせません!
というわけで、この日はこの放牧地を利用する3軒の家族が、修理を行いました。私も途中までですが、混ぜてもらいました。
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_21530062.jpg
 
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_22002866.jpg
作業着に、ナタやペンチ、金網や金具を持って。場所を分担して、みんな山を歩いて歩きまくります。
幸い、この日は海からの爽快な風が吹いており作業日和でした。(山の上の方は寒いくらいでした。)
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_21541471.jpg
山のどまんなかなので当然山菜も生えており、作業中にお土産のために、春の味覚を味わうために、「山菜採り」をする人も居ます。
牛たちもこんな贅沢な山菜、野草のほかキノコやどんぐりも食べています。
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_21554711.jpg
そして、この放牧地のなかには沢水も流れています。急な場所に牛が集まると事故のもと。
水源を守る意味も込めて、水源に牛が立ち入らないように柵で囲み、そこから近くの水飲み場に水をパイプで引く。
そんな水源整備作業も行われました。
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_21585915.jpg
そんな水源の周囲にはバイケイソウ(毒草)、ニリンソウなどの湿地を好む花々が繁茂しています。
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_22012779.jpg
水源はだいたい雪崩が起こりやすい場所なので破損も激しく、みんなで一緒に修理しました。
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_22025692.jpg
 
短角牛放牧地の牧柵修理2016・安家にて_b0206037_22025748.jpg
放牧地の周囲は豊かな自然に恵まれています。
安家の短角牛も山上げを待ちわびていることでしょう!!

by kyounoinaka | 2016-05-16 22:04 | 発祥の地 いわいずみ短角牛と生きる