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岩泉町には先週より「岩泉型インターンシップ」により、大学生のみなさんが各受入れ事業所で職場研修を続けています。驚いたことに私の直接の後輩にあたる学生も2名参加しており、嬉しいところ。私もOBOGの話を聞く会に参加し、岩泉町の仕事、暮らしのリアルなところを若干ですが皆さんにお伝えしました。

そんな私も8年前、大学3年生の夏のインターンシップでは農山村でお世話になりました。久慈市山形町「バッタリ―村」からのご縁を伝って、遠く山口県防府市の棚田集落の一番奥にある「ふるさと牧場」で10日間の研修をさせて頂きました。

北東北で飼育される短角牛の世界では母牛・子牛の「放牧」は基本条件ですが、全国的に多く飼育されている黒毛和牛の世界では「放牧」はあくまで選択肢のひとつ。そもそも共同で使える放牧地など無い地域も多いと思います。
しかしそうしたなかで「黒毛和牛の放牧」の取り組みにも参考になる取り組みや考え方が様々あり、中国地方での視察・研修を通じて様々な示唆を受けましたので、8年越し(?)ではありますが報告します。
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山口県防府市。「ふるさと牧場」では、杉林での林間放牧により小規模で黒毛和牛繁殖牛を飼育しています。さらには少量ではありますが循環型農法で棚田で稲作・野菜も生産しています。
また、応援団でもあり牧場の農作物の消費者でもある「こぶしの里牧場交遊会」(現在では農事組合法人 久兼こぶしの里)が設立され、市民が参加しながら体験交流活動、牧場づくりが行われています。
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ちょうど初日は交流会が開催されており、賑やかに牧場見学させてもらいました。放牧牛が杉林の下草(舌草)刈りを行ってくれるため、美しい林内が維持されています。(一方で、牧場に隣接する土地は松枯れや倒木もひどく、中国山地の山の荒れ方が深刻であるとも感じました。ちなみに、周囲の山が荒れているおかげで?牛たちは牧場から脱走しないそうです。)
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さらには棚田の一角を牧草地として牛たちが集っています。
お米を食べちゃいそうなくらい牛が身を乗り出していますが、これ以上は下りないそうです。
牛が入りやすいところは、竹製の牧柵。風景になじんでいます。イノシシの被害は悩みどころとのこと。
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翌日からは本格的に農作業です。限られた傾斜地では畦草も大事な飼料。とくに牛舎の牛たちの大事な飼料となるため、毎日の草刈りは大事な作業。とにかく草を刈りまくる!貴重な「草地」にも牛糞堆肥を還元しています。
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出産近くなった牛たち、そして子牛は家に隣接する牛舎へ。鶏も放牧されています。
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ちょうど子牛の出産にも立ち会うことが出来ました。
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牛たちが草を食べる林内にはお供え物として使われる「シキミ」が繁茂します。実はこのシキミは毒があり牛が食べないのです。そんな「シキミ」は産直に出荷し販売は好調とのことで、一つの収入源ともなっています。
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この期間中には子牛市場に行く機会にも恵まれました。
ふるさと牧場の、林間放牧で育ったお母さん牛から生まれ、粗飼料中心で育てる子牛は、肥育農家に渡ってからも餌の食いが良く、評価が高い傾向があるそうです。濃厚飼料をたっぷり与えて体重ばかりが大きい子牛よりも、近年では評価が高いそうで、ますますやりがいもあるとのことでした。ふるさと牧場の子牛はもちろん牧場主と一緒に入場し、このときも平均より高い価格で、著名な和牛産地に売られていきました。

あと、たまたま次に入場する、別の牧場の牛を、私が引っ張ってセリの会場に入場することになったんです。これは良い体験でした。
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あっという間の10日間。ここに書き尽くせないくらい、たいへん多くのことを学び、感じさせていただきました。やはり「田舎を楽しんでいる」ことを強く感じ、さらにIターンで後継者となる若い世代も居ること、応援団の存在などに大きな希望を感じました。

個人的に感激したのは、牧場主から「路線バスを維持するために、行き帰りは路線バスで。」と言われたこと。(牧場は路線バスの終点から片道徒歩20分程度)地域で暮らしているとどうしてもマイカーでの生活になってしまいますが、これすごく重要だと思うんです。集落では路線維持のためにバスカードのまとめ買いも行っており、そのバスカードのプレゼントを頂きました。これは民間路線バスだからこその危機感もあると思います。
(岩泉町は通院・通学の足を守るため、町民バスのネットワークが充実しています。今後は料金面での工夫や観光客目線での取り組みも必要と思いますが、山間地域としてはとても恵まれていると思います。)

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さてこの研修を通じて感じたこと。
「放牧」については環境的、動物福祉的、生物多様性など様々な観点からそのメリットが明らかになっています。いわいずみ短角牛も必ず「放牧」を経て育てられていることが一つの魅力です。

この研修を通じて感じたのは、「肉牛を育てる」というなかで、子牛を育てる「繁殖」の段階は肉牛の場合は、条件さえ整えば、経済的にも放牧のメリットがあることをあらためて実感しました。

一方で、「繁殖」が成り立つために欠かせない「肥育」(子牛を肉牛に仕上げる)の段階については、現状では日本のおそらく99%以上の肥育牛は、牛舎で育てられています。放牧を推進できる可能性についてはまだまだ継続して勉強してゆく必要がある、と感じました。
放牧のメリットを、上記のメリットだけでなく、経済的・おいしさ的にもある程度、両立できるのか?=すなわち、お客様にも、農家にも、販売する私たちにも、ある程度納得できる形で、放牧は実現できるのか?これは究極の畜産の課題の一つかもしれません。すでに走り出している取り組みは各地にあるので、今後も勉強していきたいと思います。


さて、引き続き中国地方の旅は続くのです。また、時をみて報告します。
町内取材に行く時間がなかなか取れず、ブログ更新がやや少なめとなっていますが、SNSで最新情報を発信中です。ぜひこちらもご覧ください。
Twitter「今日の田舎
Facebook「岩泉産業開発」「いわいずみ短角牛」「道の駅いわいずみ

# by kyounoinaka | 2016-08-24 22:15 | □ニッポン持続的農業&放牧紀行

台風7号報告。増水で「神滝」が大迫力!_b0206037_08123180.jpg
お盆最終日、8月16日の夜遅くから雨は降り始め、昨日8月17日は岩泉町でも台風7号による暴風雨に見舞われました。
私はお盆期間中ずっと道の駅勤務でしたので昨日はお休み。家で普段ないようなゆったりとした休日を過ごさせていただきました。今日からまたミート工房での短角牛のお仕事を頑張ります。
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さて、Twitter「今日の田舎」でもお伝えしたとおり太平洋は大荒れでした。
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茂師の漁港の様子です。台風に備えてなのか漁船はしっかりと山側に繋がれていました。
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小本川は夕方にはご覧のように数年に一度みる大増水となり、ふれあいらんど岩泉のパークゴルフ場が微妙に浸水しかけましたが、何とか持ちこたえました。(私が入社する少し前、5年前くらいに1回浸水があり、そのときは陸上競技場に大量のごみや魚(!)が流入し片付けが大変だったそうです。)
【※宿泊施設は高台にあるので安全です。】
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夕方から夜にかけては風もおさまり、晴れて満月1日前の良い月を見ることができましたよ。
さて、夜が明けてみると小本川の増水も徐々におさまってきていました。
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ひとまずこれで安心です。
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増水で「神滝」が大迫力になっているのではないかと思い、車を止めてみると案の定、風と水しぶきがものすごい大瀑布となってました。小本川は濁ってましたが神滝の水は透明に近い。ちなみに平常時の神滝はこちら
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最近、滝に降りる遊歩道も歩きやすくなりましたよ。(ただ、車は止めにくいので、ひそかな名所なのです。)
もうしばらく蒸し暑さが続きそうなので、涼を感じるのもいいですね!

# by kyounoinaka | 2016-08-18 08:28 | ●地域情報 岩泉の滝

お盆最終日の岩泉より!秋の足音が近づいています。_b0206037_15102742.jpg
お盆最終日の岩泉、蒸し暑く夏らしい天気です!
おかげさまで道の駅いわいずみ「岩泉牛乳ソフト」も大好評です。
遠方からのお客様は昨日帰路についた方も多かったようで、本日は岩手県内のお客様が多いようです。
そろそろ、お盆の賑わいもひと段落となりそうです。

お盆期間中も「道の駅いわいずみ」「道の駅三田貝分校」「ふれあいらんど岩泉」
多くのお客様にご利用いただきありがとうございます。
お盆最終日の岩泉より!秋の足音が近づいています。_b0206037_15102725.jpg
このあとは台風接近で雨になるようですね、皆様お気をつけてお帰り下さい。
しばらく曇りや雨が多くなり、この秋雨シーズンが終わると、さらに秋らしくなるんでしょうね~。
私は、秋が大好きなので、岩手の色鮮やかな秋を今年も楽しみにしています。

松茸シーズンももう少し。そして、あかべこ短角牛の鮮やかなえんじ色と、広葉樹林の鮮やかな紅葉、牧草地のグラデーションも素晴らしい光景ですよ!
お盆最終日の岩泉より!秋の足音が近づいています。_b0206037_15102622.jpg
いやいや、ちょっと気が早すぎましたね。まだまだ夏は続くのです。お盆明けから来週にかけては、いよいよ初のチャレンジ「岩泉型インターンシップ」大学生の皆さんが岩泉町内各地で就業体験に来ます。「道の駅いわいずみ」でも2名受け入れ予定です。大学生の皆さんにとっても、私たちにとっても新鮮な経験となると思いますので、楽しみです!

さらに、岩泉町は引き続き毎週イベントラッシュで毎週末、賑わいそうです。こちらもご案内していきますので、お楽しみに!

# by kyounoinaka | 2016-08-16 15:23 | □担当者より

2016夏 岩泉へおかえりなさい&ようこそ岩泉へ!_b0206037_12495955.jpg
早いもので今年もお盆を迎えます!道の駅いわいずみ&三田貝分校でも、お盆の準備を慌ただしく進めています。
お盆は、「龍泉洞の水」「特産品」「短角牛」部門のスタッフも一緒に道の駅・ふれあいらんどに勤務し、さらには高校生アルバイトさんにも手伝ってもらいながら、皆さまをお迎えします。例年、混みあうためお客様にはお待ちいただくこともございますが、なにとぞよろしくお願いします。
それでは、多くのお客様のご来店をお待ちしています!
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道の駅いわいずみ
道の駅いわいずみレストラン岩泉の夏メニューはこちら
※「道の駅カフェ岩泉」では8/11~8/16まで毎日5食限定で
「レストラン岩泉ハンバーグステーキ弁当」を販売します。
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道の駅三田貝分校



■岩泉町でハイキュー!!岩泉選手、及川選手と記念写真■
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「道の駅いわいずみ」では、今年はバレーボール漫画「ハイキュー!!」の選手と記念撮影ができるコーナーに大きな反響を頂き驚いています。遠方からのお客様も増えています。記念ノートも置いてありますので、ぜひ記念に書き込みしていってくださいね。



※お知らせ
イベント情報の告知で「8月14日 うれいら通り商店街盆踊り」とご案内していましたが、正しくは今年は8月15日とのことです。修正いたします。

# by kyounoinaka | 2016-08-11 08:28 | ☆お買物 道の駅いわいずみ&三田貝分校

大川七滝で自然観察~滝を登る魚たち~_b0206037_07485088.jpg
さて夏の岩泉の自然満喫コース第3弾、早坂高原で短角牛を眺め、カフェ「ぶるっく」で美味しいランチを味わったら、だんだんと大川渓流を眺めながら下流へと向かい「大川七滝」に到着します。ここでちょっぴり涼んでいきますか。
大川七滝で自然観察~滝を登る魚たち~_b0206037_07484939.jpg
幾重にも段差の小さな滝が連なる大川七滝、水量が多いためそれぞれの滝から聞こえてくる水音はごうごうと音を立て、たいへんな迫力があります。なんだかごうごうとした水音に包まれると自分が自然に包みこまれたような感覚で、滝を眺める岩舞台からボ~ッと滝を眺めて癒されます。そこで眺めているとなんと目の前の滝を時折魚がジャンプして、登ろうとしている!おそらく、登っている!気付いて動画に収めました。
最初の15秒ぐらいに2匹ほどジャンプしています。自然観察はしばらくその場でジーッとしてみるのが重要ですね。
山の放牧地でも、訪れてからしばらくは牛たちが落ち着かない様子ですが、10分15分と時間が経つにつれて、落ち着いてリラックスした表情を見せてくれます。
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続いて周辺の自然観察、サワグルミが花を咲かせています。(なにやらたくさんぶらさがっている物です。)こちらはオニグルミとは違って、食用にはなりません。花はなんだか愛嬌がありますよね。
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あちらこちらで見かけるネムノキの花。ちょっぴり南国風の色あい。子供の頃、なんでオジギソウそっくりなのに触っても反応しないの?と思ってこの葉っぱをよく触ってみたような記憶があります。
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岩肌に咲くユリの花が鮮やかですね~。そういえば半月ほど前に道路わきに盛んに咲いていたウバユリの花を写真に収めようと思っていたら、いつの間にか花の時期が終わったようです。 あちらこちら移動中に空や、花や、動物、山、シャッターチャンスを見かけることも多いのですが、急いでいることも多く必ずしも止まって撮れないことも多くあります。

それでも私の頭の中に焼き付いた風景、きっとまた、同じ季節に、似たような景色を見たときは写真に収めたいもんです。印象に残った場所だと、急いでいても事前に予感が働いて、サッと行動して来年は撮れる可能性が高まります。


さてさて
8月27日(前夜祭)、8月28日(本祭)は大川七滝まつり!
・8月15日   うれいら通り商店街 盆踊り
・8月15日   安家川釣りまつり(場所:安家産直広場ほか)
・8月21日   岩泉町郷土芸能祭(場所:龍泉洞園地 ※雨天時は町民会館)

これから11月にかけては毎週のようにお祭りだらけ。イベントスケジュールはこちらからご確認ください。

# by kyounoinaka | 2016-08-09 08:09 | ●地域情報 岩泉の滝